草薙での石積み
大場さんが依頼を受けた現場で、一緒に石積みをしてきました。僕は〝積み〟からの参加で6/1から。台風6号到来で休工が挟まってしまいましたが、昨日までに完了しました。石張りも引き受けている大場さんは現場が続きますが、僕はひとまず終了です。
野面石の乱積みらしく、凸凹が時間ごとの日の当たり方によって表情を変えていきます。それでも面がきちんと揃っているので、とてもきれいで、場所自体も整った印象になっています。出来栄え悪くないですね!
邸宅のお庭の石垣で、車の出入りのために、入り口を拡幅するのに伴い、元あった石垣を崩して積み直すというお仕事でした。道路沿いのコンクリート擁壁に接続していきます。コンクリ擁壁に荷重があまりかからないように、その手前で自立する石垣にしました。
積み石は、基本的に現場にあった、元の石垣に積まれていたものを再利用します。事前の床掘りは大場さんにお任せしていたこともあり、石の量が把握しきれていなかったので、しばらくコンクリ擁壁とのあいだの隙間をそのままにしておきました。自立しているので、このような手順で作業が進められます。
興味深かったのは、雨休工の翌日にこの隙間を見てみると、排水機能のないコンクリ擁壁と空石積みの部分とで土壌の湿り気が全く異なっていたこと。空石積みの排水性・通気性を実感することができました。石積みの価値の一つですね。まさに呼吸する擁壁。作業途中、ニホンカナヘビがどこからか現れて、住処を探しているのかな? この石垣を気に入ってもらえるといいですが。水糸に足を引っかけて日向ぼっこしている様子はかわいいね。
大場さんと二人で施工もしながら石運びもおこなうのは効率が悪かったので、終盤に一日、(わ)も現場に呼んで手伝ってもらいました。このおかげで〝積み〟に集中できたので、とても助かりました。
(わ)が来てくれたおかげで、この日はお施主さんのFamilyともたっぷり交流して、工事中とは思えないような賑やかな現場でした。このような雰囲気の中で施工ができるのは、重機を入れない、手仕事の良さだと思います。
最終日、お庭の土地と石垣を接続させる仕上げの作業は、要は土を寄せて、石垣の上部を被っていくわけですが、水の流れ方を考えて、少し不自然だった地形も修正しました。その際に剥がしたイワダレソウも植え戻しします。施工後、たっぷり水やりをして、お施主さんにも処置について説明、数日間は毎日水やりを続けてほしいとお願いしました。再度、うまく着生してくれるといいのですが。
この数日間の仕事ぶりを見て信用していただいたのか、お施主さんより、庭の大きなイチョウの手入れについても相談を受けていたので、石積みの仕上げが終わった後にクライミング。枝ぶりや木の様子を、樹上内部から観察。下からの見立ての通り、少し整枝剪定をして風通しを良くするとともに、根の負担を軽くしてあげて、高さを抑えていく(これ以上高くなりにくくしていく)とよさそうです。ありがたいことにお見積もりの依頼をいただきました。
お施主さんからは、うちのメープルシロップも注文をいただいていたので、仲良しの本流堂が作っている、ペット用の鹿肉ジャーキーと合わせて、この日にお届け。
石積みの仕事が木の仕事につながり、山暮らし特産品をきっかけに森や中山間地域の話をして、石と木の仕事の価値が再確認される。誠意をもって仕事すること、仲良くすること、自分の考えを述べること。僕も(わ)も、商売のための情報発信が不得手ですが、これならできる。これがAtelier mooのスタイルになっていくのかな。
造園から石積みに入ってきた大場さんは、仕事の丁寧さや道具の使い方が大変参考になり、また実戦経験豊富な土木・造園的な観点での環境再生の手法や技術は、アーボリカルチャー関連の業務でも活かすべきものでした。これから勉強していきたいと思います。
僕の石積みは、農家として、農地の段々畑の修復からのスタートだったこともあり、第一に強い石垣を築くこと、それを(時間がかかりすぎるのは農作業に支障をきたすことも考えられるので)ある程度のスピード感をもって積み上げていくことを大切にしてきましたが、お互いの長所が融合して、面白い石積みでした。
(ゆ)






