バイバイ、制服。2026年度を振り返る
目に見えるのではないかと思えるほど、大胆に季節がめぐるこの春、私のきょうだい達はそれぞれの節目を迎えています。弟はカヌー修行のためニュージーランドへ旅立ち、妹の(ま)は中学生に。それにともなって、1番下の妹は初めて身内のいない小学校生活がはじまります。
2年前から私は実家を離れ、学校寮生活を送っています。帰省するたびに、きょうだいは私の知るおもかげも残しながらも、心も体もなんだかパワーアップしていてびっくりします。彼らはたしかに、大きくなっている最中なんだなと感じます。そして、あっという間のこの時間が、彼らを形づくるかけがえのない要素になっていくはずです。
私にも同じだけのかけがえのない時間が流れている。将来の土台として振り返ることのできる「今」を過ごせていたらいいな、と思います。そうであるように、この1年を振り返ってみることにしました。
今年度の1番のチャレンジは、夏休みと春休みのひとり暮らしです。普段は寮生活を送っていますが、長期休暇中は寮が閉まるため、1年生の時は帰省していました。
高専でも、小3から続けている陸上競技に打ち込みたいと思っていました。そのため、帰省中は部活動に参加できない分を自主練習で補っていました。でも、夏には三重県内で大会が行われ、そのたびに山梨県から向かうのは体力的にも金銭的にも負担が大きかったです。また、春にはシーズンインの準備があります。帰省していた一年前は、自宅周辺の山や坂を走って練習していましたが、いざ試合が始まると、全く調子が上がらず、低迷していました。きっと、自分の身体の調子や、目標とする記録に向けてどんな段階を踏めば良いのかなどの認識が不十分で、きちんとした指導を受けられなかったことが影響していたと思います。苦しい夏だったけれど、これも今後につながる経験だったと思います。
長期休暇中も三重県内に滞在し、保健体育科教授である顧問のF先生に手ほどきを受けながら、部活動や大会に参加したいという思いが強くなりました。それができれば、今後卒業研究のときには、1年を通して研究室への出入りも可能となり、進路の選択肢も広がると思いました。そこで、ゴールデンウィークの2週間を試験的に、その後の夏休みの2ヶ月、そして今、春休みの2ヶ月を、学校近くのアパートで過ごしています。
2年生の春から奨学金をいただけることが決まり、この決断を後押ししてくれました。そして、生活が成り立つのはたくさんの人が支えてくれているからなのだと、そのありがたさを実感しています。
私の体への負担を第一に心配しながらも、笑顔で応援してくれた家族。
アパートを経営する旅館を紹介してくれた顧問のF先生。閉寮時に荷物の搬出を手伝ってくださったり、普段から体調に気を配ってくださったりと、頭が上がりません。
学生の私を受け入れ、いつも畑の野菜をくださる大家さん。旅館で提供している美味しいおかずを冷蔵庫に入れてくれていることもあり、小躍りどころか跳び上がってしまいます。
そして、部活のチームメイトや友達。引越しの荷物移動を手伝ってくれたり、一緒にご飯パーティーをしたり。この春は、皮から餃子を作ったのが美味しい思い出です。私が健康に過ごせているのは、休む暇もないほどに笑顔にしてくれる仲間がいるからです。
2年前から私は実家を離れ、学校寮生活を送っています。帰省するたびに、きょうだいは私の知るおもかげも残しながらも、心も体もなんだかパワーアップしていてびっくりします。彼らはたしかに、大きくなっている最中なんだなと感じます。そして、あっという間のこの時間が、彼らを形づくるかけがえのない要素になっていくはずです。
私にも同じだけのかけがえのない時間が流れている。将来の土台として振り返ることのできる「今」を過ごせていたらいいな、と思います。そうであるように、この1年を振り返ってみることにしました。
今年度の1番のチャレンジは、夏休みと春休みのひとり暮らしです。普段は寮生活を送っていますが、長期休暇中は寮が閉まるため、1年生の時は帰省していました。
高専でも、小3から続けている陸上競技に打ち込みたいと思っていました。そのため、帰省中は部活動に参加できない分を自主練習で補っていました。でも、夏には三重県内で大会が行われ、そのたびに山梨県から向かうのは体力的にも金銭的にも負担が大きかったです。また、春にはシーズンインの準備があります。帰省していた一年前は、自宅周辺の山や坂を走って練習していましたが、いざ試合が始まると、全く調子が上がらず、低迷していました。きっと、自分の身体の調子や、目標とする記録に向けてどんな段階を踏めば良いのかなどの認識が不十分で、きちんとした指導を受けられなかったことが影響していたと思います。苦しい夏だったけれど、これも今後につながる経験だったと思います。
長期休暇中も三重県内に滞在し、保健体育科教授である顧問のF先生に手ほどきを受けながら、部活動や大会に参加したいという思いが強くなりました。それができれば、今後卒業研究のときには、1年を通して研究室への出入りも可能となり、進路の選択肢も広がると思いました。そこで、ゴールデンウィークの2週間を試験的に、その後の夏休みの2ヶ月、そして今、春休みの2ヶ月を、学校近くのアパートで過ごしています。
2年生の春から奨学金をいただけることが決まり、この決断を後押ししてくれました。そして、生活が成り立つのはたくさんの人が支えてくれているからなのだと、そのありがたさを実感しています。
私の体への負担を第一に心配しながらも、笑顔で応援してくれた家族。
アパートを経営する旅館を紹介してくれた顧問のF先生。閉寮時に荷物の搬出を手伝ってくださったり、普段から体調に気を配ってくださったりと、頭が上がりません。
学生の私を受け入れ、いつも畑の野菜をくださる大家さん。旅館で提供している美味しいおかずを冷蔵庫に入れてくれていることもあり、小躍りどころか跳び上がってしまいます。
そして、部活のチームメイトや友達。引越しの荷物移動を手伝ってくれたり、一緒にご飯パーティーをしたり。この春は、皮から餃子を作ったのが美味しい思い出です。私が健康に過ごせているのは、休む暇もないほどに笑顔にしてくれる仲間がいるからです。
春休みに部活の友達と皮からつくった餃子
毎日の生活の中に、こうして人とのつながりがあることは心強いし、あたたかい。そのことは、実家のある早川町の地域コミュニティでも感じていたことでした。
畑仕事や山の行事をてきぱきとこなし、何歳になってもはつらつとしている、おじいちゃんおばあちゃん達のエネルギーに、私たち子どもも元気をもらいます。盆踊りや春まつりでは、本番はもちろん、一緒に練習や準備をする時間も大好きです。実家を離れる時間が長くなるにつれ、ずっと間近で見守ってくれた地域の方々のおかげで今の私があると実感します。陸上にかける熱意を引き出してくれた、弘一コーチや学校の先生方。よく見て、調べて、考察する楽しさを深めてくれた研究者でもある地元自然ガイドのみなさん。そして、たくさんの場面であらゆる選択肢を与え、どんな挑戦も応援してくれた両親。日本一小さなこの町で、あたたかい人たちに囲まれてのびのび過ごせた時間は、まさに私の糧になっています。
もうひとつ、この1年の収穫として取り上げたいのは、運動生理学への興味が深まったことです。在学中の鈴鹿高専には、教授の指導を受けながら課題研究を行う授業があります。私は陸上部顧問でもあるF先生のもとで、「運動パフォーマンスを高める神経・筋肉の協調性」をテーマに、どのようなアプローチを取れば筋肉が高いパフォーマンスを維持して動くのか、実践と情報収集を通して半年間研究し、考察を続けました。
授業では、人間が進化の過程で獲得してきた調整能力のすごさを目の当たりにしました。休日も、書籍や国内外の論文も読みながら、動作とはある意味での出力であり、それがなされるまでに起こっている体内での情報伝達について、知れば知るほど好奇心が刺激されました。
すると、日本古来の体を使う時の考え方にも興味を持つようになりました。現在のスポーツの大部分は西洋の学問が基盤になっています。研究で参考にしたデータや実験結果も、西洋の研究に基づくものでした。一方で、日本人の体の使い方の背景には、日本人のものの捉え方、自然との向き合い方、生活の仕方など、さまざまな文化的な要素があるのだと気づかされます。武道家や力士、漁師、90歳を超えても山の急斜面を上り、焼畑も山菜採りもするおじいちゃん。生命がもつ底知れないメカニズムを探求しつつ、進化の過程ですごい調整能力を獲得してきた人類の生物的な「生きる力」とともに、その地その地で「生きる力」として発展させ、獲得していった人々の、その根幹にある思想や考え方を知りたいという思いが生まれてきて、その過程で、陸上競技そのものの捉え方も当然変わっていきました。
論理的な運動のイメージを日々の部活動に還元できたことで、練習の質も上がったかもしれません。陸上競技は、走る、ジャンプするといった、連続的で境界を定義しにくい要素が複雑に絡み合っているため、今の自分のレベルを把握するのが難しいと思います。記録がひとつの目安になりますが、動きの原理を理解していないと改善の仕方が分かりません。最高のパフォーマンスは、意識では制御できない反射的な動作によって引き起こされる部分が大きく、やみくもに考えるだけでは効果が出ません。自分の能力を発揮するために集中すべき一点を見つけることはとても難しいけれど、競技という枠にとどまらない視点で見つめることが大切なのだと思います。
まだまだ分からないことだらけ。発見的に自分の殻を破ろうと、手探りを続けています。でも、それを楽しみ、毎日健康に怪我なく練習できていることには意味があると思っています。
今年度、私は高専3年生になります。4年生になると、学科内コース選択、研究室配属、企業インターンシップや受験勉強など、卒業後の進路に大きく関わる選択が待っています。そのため、3年の今年は、自分が納得できる決断をするためのベースを作れたらいいなと思っています。学校行事や寮生活を気兼ねなく楽しめるゆとりがあるのも、今年までかもしれない。
専門科目は増え、難しくなるだろうけど、探究心を忘れず、興味・関心の幅を広げたいと思います。英語の勉強も継続し、文章力の向上につなげたいです。
最後に、きょうだい達に激励を。
(す)、怪我すんなよ。
まーちゃん、さっちゃん、そのまんまで、よし!
(う)
畑仕事や山の行事をてきぱきとこなし、何歳になってもはつらつとしている、おじいちゃんおばあちゃん達のエネルギーに、私たち子どもも元気をもらいます。盆踊りや春まつりでは、本番はもちろん、一緒に練習や準備をする時間も大好きです。実家を離れる時間が長くなるにつれ、ずっと間近で見守ってくれた地域の方々のおかげで今の私があると実感します。陸上にかける熱意を引き出してくれた、弘一コーチや学校の先生方。よく見て、調べて、考察する楽しさを深めてくれた研究者でもある地元自然ガイドのみなさん。そして、たくさんの場面であらゆる選択肢を与え、どんな挑戦も応援してくれた両親。日本一小さなこの町で、あたたかい人たちに囲まれてのびのび過ごせた時間は、まさに私の糧になっています。
もうひとつ、この1年の収穫として取り上げたいのは、運動生理学への興味が深まったことです。在学中の鈴鹿高専には、教授の指導を受けながら課題研究を行う授業があります。私は陸上部顧問でもあるF先生のもとで、「運動パフォーマンスを高める神経・筋肉の協調性」をテーマに、どのようなアプローチを取れば筋肉が高いパフォーマンスを維持して動くのか、実践と情報収集を通して半年間研究し、考察を続けました。
授業では、人間が進化の過程で獲得してきた調整能力のすごさを目の当たりにしました。休日も、書籍や国内外の論文も読みながら、動作とはある意味での出力であり、それがなされるまでに起こっている体内での情報伝達について、知れば知るほど好奇心が刺激されました。
すると、日本古来の体を使う時の考え方にも興味を持つようになりました。現在のスポーツの大部分は西洋の学問が基盤になっています。研究で参考にしたデータや実験結果も、西洋の研究に基づくものでした。一方で、日本人の体の使い方の背景には、日本人のものの捉え方、自然との向き合い方、生活の仕方など、さまざまな文化的な要素があるのだと気づかされます。武道家や力士、漁師、90歳を超えても山の急斜面を上り、焼畑も山菜採りもするおじいちゃん。生命がもつ底知れないメカニズムを探求しつつ、進化の過程ですごい調整能力を獲得してきた人類の生物的な「生きる力」とともに、その地その地で「生きる力」として発展させ、獲得していった人々の、その根幹にある思想や考え方を知りたいという思いが生まれてきて、その過程で、陸上競技そのものの捉え方も当然変わっていきました。
論理的な運動のイメージを日々の部活動に還元できたことで、練習の質も上がったかもしれません。陸上競技は、走る、ジャンプするといった、連続的で境界を定義しにくい要素が複雑に絡み合っているため、今の自分のレベルを把握するのが難しいと思います。記録がひとつの目安になりますが、動きの原理を理解していないと改善の仕方が分かりません。最高のパフォーマンスは、意識では制御できない反射的な動作によって引き起こされる部分が大きく、やみくもに考えるだけでは効果が出ません。自分の能力を発揮するために集中すべき一点を見つけることはとても難しいけれど、競技という枠にとどまらない視点で見つめることが大切なのだと思います。
まだまだ分からないことだらけ。発見的に自分の殻を破ろうと、手探りを続けています。でも、それを楽しみ、毎日健康に怪我なく練習できていることには意味があると思っています。
今年度、私は高専3年生になります。4年生になると、学科内コース選択、研究室配属、企業インターンシップや受験勉強など、卒業後の進路に大きく関わる選択が待っています。そのため、3年の今年は、自分が納得できる決断をするためのベースを作れたらいいなと思っています。学校行事や寮生活を気兼ねなく楽しめるゆとりがあるのも、今年までかもしれない。
専門科目は増え、難しくなるだろうけど、探究心を忘れず、興味・関心の幅を広げたいと思います。英語の勉強も継続し、文章力の向上につなげたいです。
最後に、きょうだい達に激励を。
(す)、怪我すんなよ。
まーちゃん、さっちゃん、そのまんまで、よし!
(う)


